ユミルの森の青い蝶は、困っている人を助けてくれる。
ユミルの森の青い蝶は、その人の求めるものまで導いてくれる。

いつだったか、そんな話をエルフの少年に聞いただろうか。
そういえば、確かその時まだ彼は隣に居た。隣で明るく笑っていた。
もしかすると、明るく振る舞っていた、だけだったのかもしれないが。

そんな事を思い出しながら、訪れるのは二度目になる森をロイドはぼんやりと歩いていく。





ひらり、視界の端に青が映った。



「…あれ、」

青い蝶々達がひらひらと飛んでいる。
何も無い場所なのに、其処に何かがあるかのように、くるくると。
ロイドがそれを何となく眺めていると、ふっと在るはずのない色が見えた気がした。
不思議に思って目を擦れば、やはり其処には何も無い。
けれどもロイドは其処に何か、大切なものがあるような気がしてならなかった。


絶対に無くしてはいけなかった、とてもとても大切 な








ほんの一瞬目に映った、焼き付く様な色彩は 鮮やかな赤 だっただろうか。